あれから、千の日が過ぎました。東日本大震災で破壊されたいくつもの街。地域によって復興の歩みはちがいますが、いまだに26万をこえる人びとが仮設住宅などで暮らし、足取りは重い。
「我慢して荷物増やすな仮住まい」「ルールあり夫婦ゲンカは小声だけ」(『震災川柳』)。仮の生活が、いつの間にか日常に変わってしまった日々。被災者が詠んだ句には、ユーモアのなかに悲しみがにじんでいます。
荒涼とひろがるさら地に、黒々としたがれきの山。忘れたくても消えない記憶。時は刻まれても、心の時計は止まったまま。先がみえず、ふるさとにも帰れず、生活の見通しさえたたない。そんな現状が、前に進もうとする足を止めています。
原発事故が重なった福島の復興はさらに遅れています。放射能に汚染されたがれきは処理できず、住宅の整備にも手がつけられない。いまも汚染水が漏れ、被害は拡大しています。事故が収まるまで何年かかるか、それすらわかりません。
全町避難がつづく浪江町。住民に寄り添ってきた日本共産党の馬場いさお町議は憤ります。「除染は進まず、復興住宅もできていない。震災関連死が300人をこえるなど、いまも町民の命を削っています。国や東電への怒りは強まるばかりだ」。
国会では安倍政権が秘密保護法案を無理やり通そうとしています。震災で奪われた国民の権利を戻すこともできないのに、また新たにわれわれから権利を奪おうというのか。被災者の思いを代弁する馬場さんの叫びです。
(「きょうの潮流」より)