愛媛・西井直人南予地区委員長 福井・渡邊孝高浜町議
伊方原発(愛媛県伊方町)3号機の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定(1月17日)を受け、4年前に伊方町長選に挑んだ日本共産党の西井直人南予地区委員長と、高浜原発の立地する福井県高浜町の渡邊孝町議が18日、原発ゼロの日本への展望について第28回党大会会場で語り合いました。
高裁での勝利大きい
「愛媛県民としては万々歳の決定です」。西井さんはそう力を込めます。「運転差し止め決定は3年前も広島高裁であり、今回で2度目になります。前回は異議審で覆されましたが、こうしたことは積み重ねなので、司法が一度判断を下せば影響を与えますし、大きいと思います」
渡邊さんも「高裁で勝利したのは大きい。大津地裁が高浜原発運転の差し止めを命じた例など、地裁段階ではありますが、高裁ではなかなかない」と相づちを打ちました。
1979年の町議初当選以来、関西電力と元助役の利権疑惑を追及し続けてきた渡邊さん。関西電力の原発マネー還流問題が明らかにした癒着と利権で、町民の声が押さえつけられてきたと語り、「伊方町はどうですか」と問いかけます。
西井さんはうなずきながら、「私が無所属で町長選をたたかった時、『こんな危険なもの(原発)はどけてほしい』との声も寄せられました。しかし、原発作業員の滞在などによって生活の糧を得ている民宿、飲食店などの人たちは、多くが反対の声を上げづらいというのもありまして」と答えます。
2017年、隣接する八幡浜市で長年、党市議を務めた女性が伊方町に移住。議会を原発賛成派が占める中、町政初の党議席をめざし立候補しました。
議席には届きませんでしたが、「次の選挙でも意思を継ぐ人を再び出そうと頑張っています」と西井さん。安倍政権の原発輸出政策が総破綻に追い込まれたのをはじめ、原発に未来がない状況になりつつあることを、もっと町民や周辺住民に広げていかなければと決意を語りました。「原発から再生エネルギーへの転換は世界の流れですので、粘り強く働きかけ、世論を盛り上げていきたい」
渡邊さんは、原発廃止後の地域経済への影響について十分、配慮しなければならないと規定した原発ゼロ基本法案を野党共闘によって成立させていく意義を強調。「原発がなくても安心して暮らしていけることを示せば、危険な原発はいらないという声は、原発の恩恵を受けてきた人も含めて広がっていく」と話し、野党連合政権の実現で原発推進の自民党政治を転換していこうと呼びかけました。
(「しんぶん赤旗」2020年1月19日より転載)