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茨城・大洗 冷却塔倒壊原因は腐朽・・原子力機構 台風に耐えられず

 日本原子力研究開発機構は12月18日までに、台風15号の強風で茨城県大洗町の大洗研究所内の材料試験炉の2次冷却塔が倒壊した原因について、冷却塔の強度を保つ木材の筋かいの腐朽で強風に耐えられなかったとする報告をまとめました。

 それによると、高さ16・5メートルの冷却塔は最大瞬間風速毎秒63メートル相当に耐えられるように設計されていました。しかし、長期間使用しなかったため、部材の木材の腐朽が進行。強度を保つはずの筋かいの機能が低下していることが確認されたといいます。そのため、筋かいが機能しない場合の計算を行ったところ、設計をはるかに下回る台風15号による強風で複数の筋かいが損傷し、冷却塔の倒壊に至ったと推定しました。

 同機構は今後、屋外にある木造の原子力施設に対し、腐朽・腐食の状態が把握できるようにするとしています。

 材料試験炉は発電用原子炉などで使う核燃料や材料を中性子で照射し、耐久性などを試験するための原子炉。2006年8月から運転停止中で、核燃料はすでに取り出されています。倒壊した冷却塔は現在使われていませんが、定期自主検査の対象施設です。

(「しんぶん赤旗」2019年12月19日より転載)