原子力規制委員会は12月11日、原発における有毒ガス防護についての新規制基準の新たな要求に対し、6原発が適合しているとする審査書案を了承しました。同要求に対する審査結果のとりまとめは初めて。規制委は、今後30日間の意見募集を実施します。
対象は、関西電力高浜原発1~4号機、同大飯原発3、4号機、同美浜原発3号機(いずれも福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)、川内原発1、2号機(鹿児島県)。
有毒ガス対策については、米国の原発内で有毒ガスが発生し警戒態勢が取られたことがあり、日本では2017年5月新規制基準の要求事項となりました。経過措置として、対応の完了時期を来年5月1日以降の最初の定期検査終了日まで猶予されています。
原発敷地内には塩酸やヒドラジン、アンモニアなど化学物質が保管されており、地震などでタンクから漏れて有毒ガスが発生する恐れがあります。また、近隣の工場や敷地内外を通行するタンクローリー等からも有毒ガスが発生する恐れがあります。このため規制委は有毒ガスによる、中央制御室の運転員や重大事故時の対応をする作業員への影響を防ぐことを求めています。
(「しんぶん赤旗」2019年12月12日より転載)