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避難者と在住者分断・・原発訴訟2原告団 国を批判

 東京電力福島第1原発事故で福島県から群馬県に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めている「群馬訴訟」と、「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の原告団は12月2日、福島県庁で記者会見しました。このなかで原告団は、国が避難者の訴訟を「わが国の国土に対する不当な評価となる」と非難していることに対し、避難者と県内在住者との間に分断を持ち込むものと強く批判しました。

 国は群馬訴訟控訴審の口頭弁論(9月17日)で、自主避難者の損害を認めることは、避難しなかった住民がいることから「不当である」と主張。「居住する住民の心情を害し、ひいてはわが国の国土に対する不当な評価となるものであって、容認できない」と断言しました。

 群馬訴訟原告団代表の丹治杉江さんは「避難した人と避難できなかった人とを分断・対立させる悪質な主張。怒りでいっぱいです」と述べました。

 生業訴訟の中島孝原告団長は「非常にびっくりしています。私は魚屋をしていますから住民に食料を供給する責任があり避難しなかった。自主避難したことで心情を害されたことはない」と抗議しました。同弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は「声をあげている避難者をあたかも非国民扱いにしているもので、憤りを感じる」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2019年12月4日より転載)