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原発 女川2号機“合格”に批判

東北電力女川原発2号機の建屋(中央)=2013年12月

 原子力規制委員会が11月27日、東北電力女川原発(宮城県石巻市、女川町)2号機について、再稼働の前提となる新規制基準に「適合している」とする審査書案を了承したことに、地元から“了承をもって安全とはいえない”“再稼働は許されない”など抗議と批判の声が上がっています。

ひび割れ1130カ所 被災原発動かすのか

女川原発再稼働の是非をみんなで決める県民投票を実現する会代表 多々良哲さん

 審査書案の了承をもって女川原発が安全だとはとてもいえません。女川原発は再稼働させることにとりわけ問題がある。それは被災原発だということです。

 東日本大震災の震源地に最も近い原発で、耐震設計の目安の基準地震動を上回る強い激震で揺さぶられ、2号機の原子炉建屋は1130カ所のひび割れが見つかっています。

 原子力規制委員会の審査も長期に及び、いろんな追加の対策などの必要性が指摘された経過もありましたが、結局最後は合格ありきで了承されてしまった。非常に問題です。

 今後、審査書案に対する意見を求めるパブリックコメントが始まります。「被災原発を動かしていいのか」という意見をどんどん出していきたい。県民、国民にも呼びかけ何千、何万という意見を規制委に出そうと、大キャンペーンをやることにしています。

 地元同意の手続きになれば当然、県民投票の実現を求めていきます。再稼働は絶対に知事が一人で決めていいことではない。事故が起これば宮城県民の誰もが被害者になる可能性のある当事者です。再稼働の是非は県民に問えと訴えていきたい。

福島第1事故の再現ないといえるのか

日本共産党女川町議 阿部律子さん

 東京電力福島第1原発事故から9年近くたちますが、あのような事故が絶対に起きないといえるのでしょうか。

 いざ避難となったら、どうやってするのか。地震や津波、台風発生による複合災害時や道路の渋滞があれば計画通りにいかないのではないでしょうか。計画では原発から5キロ圏内がまず避難し、5キロ以上の人たちは屋内待機するとなっていますが、そんな理屈通りにいくのでしょうか。計画の実効性については疑問だらけです。

 1号機は廃炉が決まりましたが、使用済み核燃料の行き場がはっきりしない。それなのに2号機の再稼働で増やそうとしています。

 政府や電力会社などは、事故前は「安全神話」をふりまき事故はないといっていたのに、3・11後は、事故は起こるものだと変わりました。そんな前提での再稼働は許せません。

 政府は原発に固執せず、再生可能エネルギーへの転換を本気で進めるべきです。再稼働反対の住民運動を今後も強めていかないといけないと思います。

(「しんぶん赤旗」2019年11月28日より転載)