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高裁で逆転判決を・・東電刑事裁判勝利へ集会

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴され東京地裁で無罪判決を受けた勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人の刑事裁判が東京高裁の控訴審に移るのに際し、福島原発刑事訴訟支援団は11月11日、高裁での逆転有罪判決をめざそうと国会内で集会を開きました。300人余が参加しました。

 旧経営陣について東京地裁は9月19日、「原発の停止義務を課すほどの巨大津波の予見可能性はなかった」などとして、全員の刑事責任を否定する判決を出しました。これに対し、検察官役の指定弁護士が同30日に控訴。判決について「(原発の)絶対的安全性の確保までを前提としていなかった』とした判断には到底納得できず、このまま確定させることは著しく正義に反する」とコメントを発表しています。

 集会では、支援団の佐藤和良団長が、地裁判決について「悔しくてたまらない。しかも判決の中身は、原子力政策を推進するための証し、とでもするかのよう」と批判しました。

 また、被害者代理人の海渡雄一弁護士らが地裁判決(要旨)に沿って報告。放射性物質が避難や救出活動をいかに妨げたかについて判決が全く無視し、原発事故の被害に向き合っていないことや、深刻な災害が万が一にも起きないよう高い安全性が原発には求められているのを否定した―などと述べました。

 集会では「地裁判決を許さず、国民世論と国際世論に訴え、東京高裁での逆転有罪判決をめざして活動を続ける」とするアピールを確認。短編映画「東電刑事裁判 不当判決」も上映されました。

(「しんぶん赤旗」2019年11月12日より転載)