日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 「多額のマネーと引き換えに魂を売って一炊の夢をみても、ひとは豊かになれないどころか故郷すら失いかねない」・・元東海村長 村上達也

「多額のマネーと引き換えに魂を売って一炊の夢をみても、ひとは豊かになれないどころか故郷すら失いかねない」・・元東海村長 村上達也

 江戸時代のような風景が広がる村に別世界がやってきた―。日本で最初の原子力ムラとなった茨城・東海村。最先端の施設ができる様子を当時中学生だった村上達也さんは大きな希望と夢を抱いて眺めていたといいます。

 原発の恩恵を受け続けた地でその後、村長になった村上さんは「原発は疫病神」と公言するように。多額のマネーと引き換えに魂を売って一炊の夢をみても、ひとは豊かになれないどころか故郷すら失いかねないと(『それでも日本人は原発を選んだ』)。

 原発や関連施設をめぐる裏金や接待、選挙での暗躍、露骨なマスコミ対策、反対派の弾圧や住民の分断…。政財界が一体となって突き進んできた原子力ムラの縮図は各地の原発立地町でみられます。

 菓子箱の下に忍ばせた金貨や小判。まるで時代劇の悪代官と悪徳商人のようなやりとりがあらわになった関西電力と福井・高浜町の元助役との闇の関係。原発マネーの利権は企業や町の有力者にとどまるものではありません。

 10年以上にわたって経産省の職員が高浜町に出向し続けていることを、共産党の藤野保史議員が国会で追及しました。国策として人を送り込み、町とともに原発政策を進めてきたのではないか。さらに、関電や元助役の関連会社からの安倍首相の側近たちへの献金も明らかになっています。

 長年、原発行政と向き合ってきた村上さんは断言しています。「安全神話を振りかざし、国策という言葉でひたすら推進してきたこの国に、原発を持つ資格はない」

(「しんぶん赤旗」2019年10月17日より転載)