関西電力幹部が福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題について、日本共産党の井上哲士議員は10月16日の参院予算委員会で「国策として進めてきた原発推進政策と一体で原発マネーが還流したものだ」と指摘し、国の責任を追及しました。
福島原発事故(2011年)後、再稼働反対の世論が広がるなかでも政府は原発に固執し、再稼働に必要な安全対策は電気料金値上げのもとで進められてきました。安全対策費は関電だけで1兆円を超え、そのうち高浜原発1~4号機は5千億円超とされています。
井上氏は、高浜原発3、4号機などの再稼働(16年)が進む中で、役員報酬は倍加し、さらには安全対策工事に深く関わる森山氏からは3億2千万円も関電幹部が受領する事態となっていることを指摘。森山氏からの金品受領額は、再稼働のための安全対策工事費が増えるにつれて拡大するなどの関連性を明らかにし、「森山元助役からの関電幹部への金品の提供は、『一企業の金銭不祥事』などと矮小(わいしょう)化してはならない」と強調しました。
これに対して安倍晋三首相は「関西電力は第三者委員会を設置し、調査を行っていると承知している」と答弁。井上氏は「まるで人ごとみたいだ」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2019年10月17日より転載)