東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の広域避難計画には実効性がないとして、同原発30キロ圏内の住民17人が仙台地裁に11月12日、県と石巻市に対して再稼働の地元同意差し止めを求める仮処分の申し立てをしました。
石巻市が策定する広域避難計画は、同原発の重大事故時に住民が仙台市をはじめ27市町村にバスなどで避難するというものです。
申立書はこの計画について、▽避難ルートの渋滞問題▽病院の患者や高齢者施設入居者、要支援者らの避難が困難▽台風などの複合災害対策がない―など実効性がないと指摘。石巻市の大川小裁判の確定判決で示された「事前防災義務」にも違反しているとし、県と市に再稼働に同意しないよう求めています。
女川原発2号機は、再稼働に向けた審査が進められています。11万余の署名が集められた運動によって提出された女川原発再稼働の是非を問う住民投票条例が県議会で否決されたため、地元自治体の同意が事実上、再稼働に必要な前提となっています。
申し立てに加わっている「女川原発の避難計画を考える会」の原伸雄代表は記者会見で「福島第1原発事故を忘れた“新たな安全神話”の下での計画と思われてならない。避難計画の実効性が期待できない中での再稼働の同意を見すごすことはできません」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2019年11月13日より転載)