日本原子力研究開発機構は9月9日、台風15号の強風で、茨城県大洗町の大洗研究所内の材料試験炉の2次冷却塔が倒壊したと発表しました。パトロール中の関連企業の作業員が同日午前7時40分ごろ、見つけたといいます。原子力規制委員会は同日、「安全上重要な機器の故障」として報告を受けたと公表しました。
材料試験炉は発電用原子炉などで使う核燃料や材料を中性子で照射し、耐久性などを試験するための原子炉で、2006年8月から運転停止中で、核燃料はすでに取り出されています。倒壊した冷却塔は現在使われていませんが、定期自主検査の対象施設です。
今回の倒壊によって所内に設置されたモニタリングポストの測定値に異常はなく、放射性物質の漏えいもないといいます。
2次冷却塔は木造で、高さが16・5メートルあったといいます。
(「しんぶん赤旗」2019年9月10日より転載)