大山(だいせん)噴火時に関西電力高浜、大飯、美浜の3原発(福井県)で想定される火山灰の最大層厚が新知見によって許可値を上回り、全7基が基準不適合となった問題で、笠井亮議員は6月12日の衆院経済産業委員会で、原子炉等規制法の「新規制基準に適合しない原発の運転は許可できない」との原則に基づき、問題の基準不適合原発の使用停止をただちに命じるよう要求しました。
同委の更田豊志委員長は、一部の不適合だけによる運転停止は同制度の「得にならない」と述べ、噴火は差し迫っていないとして運転継続を容認。4月から定期検査中の大飯3号の原子炉再起動も問題ないとの認識を示しました。世耕弘成経産相も、同委の対応を追認しました。(関電は、26日に再起動を行うと発表)
笠井氏は「基準不適合原発の稼働を認める前例をつくってはならない」と批判。再稼働ありきではなく、原発ゼロを決断し、再生可能エネルギーへの転換に踏み出すよう求めました。
原子力規制委員会は19日、再稼働審査を終えた原発にも安全対策に新知見を反映させる「バックフィット制度」に基づき、関電に審査やり直しのための設置許可変更を初めて命じました。
(「しんぶん赤旗」2019年6月28日より転載)