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原告5人が被害訴え・・福島原発避難者訴訟第2陣

裁判所まで行進する避難者訴訟原告団・弁護団=19日、いわき市

 福島県沿岸部の双葉町、富岡町、楢葉町、川俣町山木屋などの住民が東京電力に損害賠償を求めた福島原発避難者訴訟第2陣の第38回口頭弁論が6月19日、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれました。10月に現地進行協議(検証)を実施することを決めました。

 川俣町山木屋に住む原告の菅野清寿さん、鴫原利彦さん、佐藤光三さん、廣野一さん、鴫原秀雄さんへの本人尋問が行われました。

 菅野清寿さんの田んぼにはフレコンバッグが山積みになっています。「コメ作りをしなくなって8年がたち体力がなくなりました。再開は不可能。若い人は戻らず、山木屋には子どもはいない。寂しいもので、裁判長にも(寂しい故郷を)見てほしい」と訴えました。

 鴫原利彦さんはブドウ、洋ナシ、モモなど果樹園を営み、事故後も週3回は山木屋に行き、果樹の手入れをしてきました。「しかし実った果物の放射能は基準以下になったものの廃棄せざるを得ません。『果物にごめんね』と声をかけて処分しています。果樹は自分の子どものよう。重大な被害を受けた」と声を詰まらせて証言しました。

 佐藤光三さんは妻とハーブ園などを営み軌道に乗ったころ原発事故にあいました。「生きるための希望を見いだしたとき。残念です。土地は荒れ果てました。この厳しい現実をどうしてくれるのですか」と東電に迫りました。

(「しんぶん赤旗」2019年6月20日より転載)