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原発事故「子どもに負担」・・いわき市民訴訟 原告が証言

裁判所まで行進する原告団・弁護団=3月5日、福島県いわき市

 国と東京電力を相手に福島第1原発事故による被害の原状回復と損害賠償を求めている「いわき市民訴訟」(伊東達也原告団長)の第34回口頭弁論が3月5日、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれました。工藤史雄さん(41)、菅波好恵さん(36)、佐藤明美さん(61)、草野美由紀さん(52)の原告本人尋問が行われました。

 工藤さんは、事故当時、寝たきりの患者を含む120人の入院患者と約200人の職員が働いている中で「避難することはできなかった」と、証言。妻と5カ月の長女は、石川県の妻の実家に避難しました。「離れ離れで娘がつかまり立ちで歩くようになったころのことを見られなかった。国と東電は被害を認めて謝罪と賠償をしてほしい」と陳述しました。

 菅波さんは当時4歳と2歳の娘の母親。「育ちの大切な時期に我慢させてしまいました。『産まなければよかった。ごめんね』と本当に思ったこともありました。(福島の子だと)将来結婚するときや出産するときに差別されることが心配」と涙で訴えました。

 草野さんは保育園の保育士です。「自然とのかかわりで五感を刺激して子どもの成長を促してきました。原発事故後は外遊びなどできなくなり、自由に自然に触らせることも制限。悔しさがある」とのべました。

 佐藤さんは元小学校教師。「福島県の子どもは肥満傾向。原発事故後に運動を制限されて発達に支障が出ている。運動能力が低下している子がいる。二度とあってはならないことで、原発推進政策をやめるべきです」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2019年3月6日より転載)