日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 東日本大震災・福島原発事故8年 郡山・災害公営住宅自治会長の思い 富田団地(富岡町出身) 齋藤秀雄さん(70)/守山駅西団地(浪江町出身) 柴清明さん(56)

東日本大震災・福島原発事故8年 郡山・災害公営住宅自治会長の思い 富田団地(富岡町出身) 齋藤秀雄さん(70)/守山駅西団地(浪江町出身) 柴清明さん(56)

富田団地(富岡町出身) 齋藤秀雄さん(70)

集会所の前に立つ斎藤さん

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく8年になります。原発事故被害者の多くが、今もふるさとに帰れないままです。福島県郡山市の災害公営住宅で生活する2人の自治会長の思いは―。

情報共有にも一苦労

 個人情報の壁があってどの部屋にどういう人が住んでいるかをつかむのにも苦労しています。県の担当者は、県が委託している管理組合の管理人が知っているから、自治会は知らなくていいという態度でした。おかしいだろって声をあげました。自治会の役員会に管理人も参加してもらい、やっと情報の共有ができるようになってきました。

 災害公営住宅の空き地に花を植えたり、小さい畑をつくったらいいと思うけど、県はだめだっていうんだね。縛りが多すぎるよ。

 高齢者1人住まいが多い。孤独死もでました。イベントやってもなかなか集まらない。NPO法人がいろんな支援活動をしてくれているんだけど、県は4月からNPOへの助成金を減らすことにしています。

 国を先頭に2020年のオリンピックまでに復興事業の幕引きを狙っている感じだね。原発事故はなかったかのように。被災者の声を聞かないままにね。これじゃあ“首切り”と同じだよ。


守山駅西団地(浪江町出身) 柴清明さん(56)

スロープの不具合を説明する柴さん

最後まで責任持って

 仮設住宅の方がまとまりがあったね。災害公営住宅はどうしてもこもりがちになる。

 団地は一戸建て中心で見た目はいいんだけど、使い勝手が悪くてね。道に飾りみたいなでこぼこつけるからお年寄りが何回も転んだし、雪かきにも不便。団地内に一方通行の標識があって、駐車するのに苦労する。団地の入り口に看板立てたから車が出る時見通しが悪くて怖い。神山さん(日本共産党県議)に話したら、余計な標識はすぐ撤去されたけどね。県はなに考えて設計したんだろう。2軒がひっついてるところでは音漏れがひどいです。

 原発事故さえなければ、浪江で仕事して、ここに来ることもなかった。賠償は打ち切られたけど、仕事は戻ってこないよ。なんか矛盾しているんじゃないかな。復興住宅の家賃支払いも、東電は手をひいてしまった。国も原発政策すすめてきたんだから、責任あると思うよ。

 国も東電も最後まで被害者の面倒見ろよっていいたい。

(「しんぶん赤旗」2019年2月26日より転載)