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廃炉 79設に1・9兆円・・さらに膨らむ恐れ/「もんじゅ」など 原子力機構試算

 日本原子力研究開発機構は12月27日までに、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市、廃炉作業中)や東海再処理施設(茨城県東海村)など79施設の廃炉に必要な費用が、今後約70年で総額約1兆9000億円に上るとする試算を公表しました。施設の維持管理費やウラン廃棄物の費用などは含まれておらず、費用はさらに膨らむ恐れがあります。機構の予算は大半が国からの交付金で、予算をどう確保するかが課題です。また、200リットルのドラム缶で56万本以上となる放射性廃棄物の処分先は決まっていません。

 機構は保有する89の原子力施設のうち79施設について、今後約70年間に施設の解体や放射性廃棄物の処分などで必要となる費用を試算しました。

 最も費用が掛かるのは東海再処理施設で、解体完了までの約70年間で約7700億円。機構は昨年6月、総額約1兆円と公表しましたが、今回の試算には高レベル放射性廃液の固化費用など約2170億円は含まれていません。

 この他、もんじゅに約1500億円、新型転換炉「ふげん」(敦賀市、廃炉作業中)に約750億円、もんじゅなどの燃料を製造するプルトニウム燃料第三開発室」(東海村)に約880億円などと試算しました。

 原子力機構は維持管理費などを試算に含めなかった理由について、「施設や廃炉作業の段階ごとに費用が変わるなど、不確定性が大きいため」と説明しています。

(「しんぶん赤旗」2018年12月28日より転載)