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火山ガイド見直し示唆・・原子力規制委 巨大噴火軽視の懸念

 原子力規制委員会の更田豊志委員長は9月26日の定例会見で、火山活動が原発に与える影響を評価する審査の手引きである「火山影響評価ガイド」について見直しを示唆しました。

 広島高裁は、伊方原発3号機の運転差し止めの仮処分を取り消した25日の決定で、噴火の規模や時期などを予測できることを前提にした火山ガイドを「不合理」だと指摘しました。

 一方で、決定は、巨大噴火の発生頻度が「著しく小さく」として、「想定しなくても安全性にかけることはない」と巨大噴火の危険性を軽視する判断をしました。

 更田氏は会見で「予見することが難しい自然現象(噴火)の発生を前提とするか、前提としないか、ここが大きな判断」「記載内容の充実というようなことは検討の必要があるかもしれない」と述べました。

 阿蘇山で約9万年前に起きた巨大噴火では伊方原発の地点まで火砕流が到達したとされています。伊方原発運転差し止め広島裁判の原告らは、原発を巨大噴火の火砕流がおそえば、過酷事故がおき大量の放射性物質が放出されるおそれがあると指摘してきました。

 予測ができないため、巨大噴火を“想定しなくてよい”などと火山ガイドが見直されるならば、高度な安全性が求められる原発の特徴を顧みないものといえます。

(「しんぶん赤旗」2018年9月28日より転載)