四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)をめぐり、大分地裁(佐藤重憲裁判長)は28日、大分県の住民4人が運転差し止めを求めた仮処分の申し立てを却下しました。
伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山(熊本県)の噴火リスク、原子力規制委員会の新規制基準の合理性などが争点でした。
佐藤裁判長は「巨大噴火が生じることが差し迫ったものとは言えない。原発の危険性が社会通念上、無視し得る程度にまで管理され、客観的に見て安全性に欠けるところがないと評価できる」とし、国の新規制基準や伊方原発が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断について「合理性に欠けるところはない」などと断定し、住民側の申し立てを却下しました。
決定後、裁判所前に「司法は屈した」などの垂れ幕が掲げられると、集まった約70人の支援者らから怒りの声が上がりました。
弁護団の河合弘之弁護士は「原子力規制委員会の火山ガイドを『合理性を有する』と断定するなど、国、原子力ムラ言いなりの極めて無責任な内容だ」と批判しました。
申し立て人の中山田さつきさん(64)=杵築(きつき)市=は「大分で当たり前に生きる権利がどうして一発電所に脅かされねばならないのか」と憤り、「みんなと一緒に止めるまで頑張る」と決意を述べました。
(「しんぶん赤旗」2018年9月29日より転載)