原子力規制委員会は12月25日、東京電力福島第1原発から半径80キロ圏内の空間放射線量を調べた航空機モニタリング結果を公表しました。9月28日時点の放射線量は、2011年11月に比べ、約2年間で約47%減少。セシウム137など放射性物質の半減期による減少割合は34%で、規制委は風雨などで地表面のセシウムが流されたとみています。
9月の測定結果を、同一条件で比較可能な2011年11月(事故から約7ヵ月後)と比較したところ、各測定地点の放射線型は平均で約47%減少。毎時19マイクロシーベルトを超える高線型の地域も大きく減りました。
除染は最大3年間延長・・福島県内6市町村
環境省は12月26日、東京電力福島第1原発事故に伴い原発周辺11市町村で実施している国直轄の除染の終了時期について、6市町村で最大3年間延長する新たな計画を発表しました。当初計画では、今年度中の完了を目標としていましたが、除染で出た汚染土の仮置き場の確保が難航し、作業が大幅に遅れました。
6市町村のうち、仮置き場の確保や地権者の同意取得を前提に、川俣町と葛尾村は2年間延長し2015年度内に、南相馬市と浪江、富岡両町、飯舘村は3年間延長し、16年度内に完了する目標を設定しました。
一方、双葉町については新たな目標を示しませんでした。放射線量が高い地域が多いためで、今後、町の復興計画策定と併せて除染スケジュールを検討するとしています。
同省はこのほか、国が処分する11市町村の災害がれきの新たな計画も発表しました。地震や津波で被災した家屋などのがれきは、11市町村で計約80万2000トンと推定。住民の帰還を妨げないよう、15年度内に仮置き場などに搬入するといいます。