福島県楢葉町、浪江町、双葉町など浜通りの住民が東京電力福島第1原発事故で避難生活を余儀なくされたとして東京電力に損害賠償を求めた福島原発いわき避難者訴訟第2陣の32回口頭弁論が22日、福島地裁いわき支部(名島亭卓裁判長)でありました。
原告代理人は、昨年3月にあった第1陣判決の誤りについて指摘する意見陳述をしました。「昨年3月、216人が東電に約133億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、213人に計約6億1240万円の支払いを命じたがこれは『寸志判決』だ」と低額賠償を批判しました。
「被告の責任を軽視するとともに、被害の実態を真正面から直視していない」と、第1陣判決を糾弾しました。
口頭弁論ではさらに、2陣原告の多くが居住していた川俣町山木屋の現状についてスライドも使って陳述しました。
昨年3月、避難指示解除後の川俣町山木屋地区への帰還者の状況は今年8月1日現在、居住者人数は320人・143世帯。「20代以下は18人、65歳以上191人と多くが高齢者。避難指示解除があったことをもって被害が回復しているとは言えない」とのべました。
次回は原告本人尋問が行われます。
(「しんぶん赤旗」2018年8月23日より転載)