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“誇りの農業奪われた”いわき避難者訴訟 口頭弁論 & 東海再処理施設廃止へ・・規制委認可 完了に70年、約1兆円

“誇りの農業奪われた”いわき避難者訴訟 口頭弁論

 東京電力福島第1原発事故で甚大な被害を受けた福島県楢葉町、富岡町、川俣町山木屋、南相馬市などの住民が東京電力に損害賠償を求めた「いわき避難者訴訟」第2、3陣(早川篤雄統括原告団長)の口頭弁論が、6月12、13の両日、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)でありました。

 13日の第2陣口頭弁論では川俣町山木屋の原告、菅野みどりさん、菅野典保さん、菅野勝久さんが陳述。

 酪農家のみどりさんは「農業に生きがいを感じ、誇りに思って働いてきました。それが奪われ本当に悲しい。人間の魂が殺されました。公正な判決を願います」と訴えました。

 葉タバコ農家の典保さんは「自然豊かな山木屋。山の水、山菜も放射能で汚された。私たちは無念さを裁判官に訴えるほかない」と陳述しました。

 稲作と小菊の栽培をしている兼業農家の勝久さんは「昨年の第1陣判決には到底納得いかない。原状回復するまで賠償を支払ってほしい」と訴えました。

 12日の第3陣口頭弁論では、富岡町で2町3反の畑などを耕し、地域のリーグ役を果たしてきた猪狩弘道さんが、花弄(かき)栽培の生産組合を作ったり、ソフトボール大会を開くなど故郷を大切にしてきたことを陳述。「原発事故は故郷を奪い、無人の地と化した。破壊しだのは誰なのか。原発の恐ろしさを語り継ぐ必要がある」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2018年6月14日より転載)


東海再処理施設廃止へ・・規制委認可 完了に70年、約1兆円

 原子力規制委員会は6月13日、日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(茨城県)の廃止措置計画を認可しました。計画では、工程は約70年間に及びます。また、機構は廃止措置に係る総額として約7700億円、これとは別にガラス固化などに当面10年間で2170億円かかり、計約1兆円になると見込んでいます。

 東海再処理施設は、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出す施設。1981年に本格運転を開始しましたが、繰り返し事故・トラブルが発生。また、新規制基準への適合に多額の費用がかかることなどから、廃止を決定していました。

 再処理施設は、高レベル放射性廃液がガラス固化されずに長期間放置されていたため、新規制基準の適合性を保留したまま2016年から、これら液体のガラス固化を開始。当面はリスク低減の観点からも、ガラス固化作業を優先します。計画では、2028年度末までに終了するとしています。

 すでにガラス固化が中断するなどのトラブルが発生しており、規制委も監視チームで引き続き計画の進み具合を確認していきます。

(「しんぶん赤旗」2018年6月14日より転載)