関西電力美浜原発3号機の配管損傷・蒸気噴出死傷事故で、同原発1号機でも配管の肉厚が国の基準を下回っているにもかかわらず、そのまま放置されて、運転を継続していたことが4日分かりました。これを受けて、福井県の西川知事は関電に対し、運転の即時停止と配管の点検を要請しました。関電は当初7日に運転を停止する予定でしたが、5日午後から運転を停止し、配管を交換するといいます。
今年1月から3月にかけて実施された、美浜原発1号機の定期検査のデータを原子力安全・保安院が調べたところ、二次系の主要配管(B給水ポンプの出口側で「T・チーズ」と呼ばれる部位)で、国の基準で肉厚が15.4ミリ必要なのに、15.2ミリまで減肉している場所が1カ所ありました。関電はこの時の定期検査で気づいていましたが、美浜2号機と同様に、国が定めた技術基準の「ただし書き」を独自に解釈。耐圧(内部の圧力に耐える力)を1.2倍とすることで残り寿命を独自に長く評価し、運転を継続していました。
関電から報告を受けた福井県は4日、「県民の不安・不振を考え、ただちに運転を停止し点検を行うべき」であるとし、関電に即時停止と配管の点検を要請しました。
また、8月27日の保安院の調査で、美浜2号機の2カ所が国の基準を下回って減肉していたことが明らかになっています。さらに同調査では3号機で数カ所、余命2年を下回っている疑いのある配管があることも分かっています。