東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の適合性審査に関する住民説明会が5月
20日、前日の新潟県柏崎市に続いて刈羽村で開かれました。県と柏崎市、刈羽村の共催で約80人が参加しました。
説明会では、審査をした原子力規制委員会事務局の原子力規制庁の担当者が説明したのに対し、住民からは「東電に原発を動かす技術的能力があるとはいえない。審査書から削除してほしい」と批判が相次ぎました。
同原発は昨年12月27日に規制委が新規制基準に適合したとする審査書を決定し、基本設計に関する設置変更申請を許可しました。東電に対し原発を運転する適格性を認める判断もしました。
説明後の質問では、審査のあり方への不信が何人もの住民から表明されました。審査書決定後に東電が、重大事故時に原子炉格納容器の圧力を下げるために使う重要施設「フィルターベント」の基礎が液状化の影響を受ける恐れがあるなどと発表したためです。ある住民は「安全性に大きな影響のあるのを知っていながら、規制委はなぜ許可したのか」といい、別の住民は「フィルターベントは、規制基準の新たな対策なのに、見過ごすような審査書だ」と指摘しました。
規制庁担当者は、液状化対策は「詳細設計の段階で確認していく」と繰り返しました。これに対し、住民は「基本的な安全の問題を、基本設計の段階で明確にしないのか。フィルターベントが機能するかどうかは、住民にとって重要な問題なんだ」と述べ、審査のやり直しを求めました。
このほか、「住民を守るため避難計画も規制対象にしてもらいたい」などの要望が出されました。
説明会に参加した刈羽村在住の70代の女性は「液状化について詳細設計で確認するというけど、どこまでみて判断するのか疑問」と話していました。
(「しんぶん赤旗」2018年5月21日より転載)