地震に伴う発光現象、地震光は、垂直に近い断層が動いたときに起こっているようだ─。カナダとアメリカの研究グループが過去400年あまりの間に発光が記録された地震について調査した結果わかったと、1月2日発行のアメリカ地震学会誌1・2月号に発表しました。
2009年にイタリア中部のラクイラでマグニチュード(M)6・3の地震が発生し、多数の死傷者が出ました。このとき、本震が発生する数秒前に、石畳の道路の上に点滅する光が現れたのを歩行者が目撃したという報告があります。2007年にペルーでM8・0の地震が発生したときの地露光は、防犯カメラでもとらえられているといいます。
研究グループは、1600年以降、ヨーロッパと北米や南米で発光現象が記録されている65回の地震について文献を調べました。その結果、97%に当たる63回は、内陸の、地表に対して垂直か、ほぼ垂直な断層で起こった地震だったことがわかりました。残る2回はプレートの沈み込み帯にある低い角度の断層で起こった地震に伴うものでしたが、研究グループは、未確認の垂直の断層が隠れている可能性があるとしています。
ほとんどの地震光、は、地震の前か最中で、地震の後に発生したのはまれでした。これは、地震光が、断層に急速に力が加わったり、地震が伝播(でんぱ)することで局所的な力の変化が生じたときにプラスの電荷が移動していき、地表に達すると空気の分子をイオン化することで光が発生すると考えられるといいます。