浪江と東電 和解打ち切り・・裁判外紛争解決手続き 町長「誠に遺憾」
東京電力福島第1原発事故をめぐり、福島県浪江町の町民約1万5000人が東電に慰謝料の増額を求めて申し立てていた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、町民の代理人となった同町は4月6日、原子力損害賠償紛争解決センターが和解仲介を打ち切ったことを明らかにしました。
町民の7割が申し立てに参加しており、原発事故に関するADRでは最大規模でした。
同センターは2014年3月、町民1人当たり月額10万円の慰謝料を、2年に限り[律15万円に増やす和解案を提示。町は受け入れる考えを示しましたが、東電は拒否を続けていました。
浪江町の馬場有町長は「誠に遺憾だ。避難者に寄り添うどころか、突き放しているとしか思えない」とのコメントを出しました。
(「しんぶん赤旗」2018年4月8日より転載)
戸別訪問で萎縮・・関電圧力に勧告 兵庫県弁護士会
関西電力の社員が、地中送電線工事の計画見直しを求めて署名した住民を戸別訪問したのは、表現の自由への侵害に当たるとして、兵庫県弁護士会は4月6日、関電に署名活動への萎縮効果を生じさせないよう求める勧告書を送付しました。
勧告書などによると、関電は神戸市東灘区で送電線の埋設工事を計画。電磁波による健康被害に不安を感じた住民らは2016年5月、氏名や住所が記載された1万筆超の署名を関電に出しました。関電社員は6月、署名した同区の約900戸を事前連絡なく戸別訪問し、署名理由などを質問しました。住民らは訪問中止を求めましたが、関電は8月も約500戸を訪問しました。
訪問を受けた人の多くが強い圧力を感じたといいます。計画見直しを求める住民運動も低調となり、弁護士会は戸別訪問との因果関係を認定。「表現の自由を侵害する違法な行為で、署名活動に萎縮効果を生じた」としました。
住民134人が16年9月、県弁護士会に人権救済を申し立てていました。
(「しんぶん赤旗」2018年4月8日より転載)