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経産省会議 原発も主要な選択肢・・50年目標 エネルギー政策検討

 地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定]を踏まえるとして、2050年を見据えた国のエネルギー政策の方向性を検討する経済産業相主催の有識者会議「エネルギー情勢懇談会」が3月30日開かれ、再生可能エネルギーや火力とともに原発を「主要な選択肢」とする論点が示されました。4月に提言としてまとめ、30年までの政策「エネルギー基本計画」改定に反映させる方針です。

 論点では、エネルギー情勢について「脱炭素化の潮流が大きくなっている」と説明。エネルギーの選択に当たっては「あらゆる選択肢の可能性を追求する」とし、「主要な選択肢」に再エネ、原発、火力を挙げました。50年時点の電源構成の数字は示していません。

 原発では「人材・技術・産業の基盤強化に直ちに着手し、安全性・経済性などに優れた炉の追求」などを盛り込んでいます。また、現行の基本計画で掲げる「原発依存度は可能な限り低減させる」方針は「堅持すべき」としています。

 太陽光や風力などの再エネは、価格低下とデジタル技術で「主力化への可能性が大きく拡大している」と指摘。余った電気を蓄電池にためたり、水素に変換して利用するシステムと統合し、安定的に供給できる「主力電源化」するとしています。

 委員で原発メーカーの日立製作所の中西宏明会長(次期経団連会長)は「″原子力は可能な限り低減″とする宣言は非常に抵抗を感じる」と発言。「福島は大変重い現実であることは否定しないが、(原子力の議論で)そろそろ好きだ、嫌いだの議論から脱したい」などと述べました。

 これに対し、枝広淳子・東京都市大学教授は「好き嫌いでなく合理的思考で言っている。″可能な限り低減″は、すでに出ている(政府の)方針。50年方針で出ないと後退になる。絶対させてはいけない」と応酬しました。

 日下部聡・同省資源エネルギー庁長官は「原子力の扱いは整理させてもらいたい」と述べました。

(しんぶん「赤旗」2018年3月31日より転載)