青森県大間町に建設中の大間原発の建設差し止めなどを求めて、北海道函館市の市民ら1164人が国と電源開発(Jパワー)を訴えていた訴訟で、函館地裁は3月19日、請求を棄却する判決を出しました。原告団は控訴する方針です。
函館市から津軽海峡を挟んで最短23キロにある同原発。原告団は、危険なウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使用し、敷地内に
活断層があるとし、2010年7月に提訴しました。
「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表は、裁判所前で怒りの涙を流し「司法は、なぜ福島の事故を繰り返してはいけないと考えないのか。ばかにしているとしか言えない不当判決です。本当に悔しい。諦めず控訴します」とたたかい続ける決意を表明しました。
報告会で弁護団の河合弘之共同代表は「規制委員会の建設許可の見通しがまったく立っていないから具体的危険性はないという安易な判決です」と述べ、原発被害の事前救済を困難にするものと強く批判しました。
11人分の傍聴席に対し335人が整理券を受け取り、判決後は原告団や支援者らが「不当判決を許さないぞ」「大間原発建設反対」とシュプレヒコールをあげました。
大間原発については函館市も建設中止を求める訴訟を東京地裁に起こしています。
玄海原発3号機3月23日にも再稼働/九州電力
九州電力は3月19日、玄海原発3号機(佐賀県玄海町)を早ければ23日にも再稼働させると明らかにしました。
3号機は2010年12月に定期検査で停止以来、約7年3ヵ月動いていません。3号機は、毒性の強いプルトニウムとウランを混ぜたMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を燃やすプルサーマル発電を行います。4号機は5月の再稼働をねらっています。
九電幹部が19日の県議会で明らかにしました。22日の検査で、核分裂反応を抑える制御棒の動きなどを確認した後、再稼働させるといいます。
(「しんぶん赤旗」2018年3月20日より転載)