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プルサーマル方針 電事連“変わらず”・・原子力委 聴取に説明

 「利用目的のないプルトニウムを持たない」との原則を定めた決定の改訂に向けて、内閣府の原子力委員会(岡芳明委員長)はこのほど、電力各社でつくる業界団体の電気事業連合会からプルトニウム利用計画などについて意見聴取しました。

 電事連は、原発の使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を燃やす「プルサーマル」を、全国で16〜18基の原発で導入する方針を「堅持する」と、従来の説明をしました。

 電事連は東京電力福島第1原発事故前、同方針の実施時期を2015年度にしていましたが、事故後、計画の前提となる再稼働は見通せない状況が続いています。そのため、プルトニウム利用計画の公表も「可能な限り早期に」と表現するにとどまっています。

 日本はすでに国内外に約47トンのプルトニウムを保有。岡委員長は、再処理工場(青森県)が立ち上がるなどプルトニウムが増えてしまう恐れが非常にある」として、プルトニウム利用を電力各社に任せず、「融通し合う仕組みが必要」との考えを述べました。

 原子力委員会の改訂は15年ぶり。使う見通しの量だけ再処理する方針を明示するかを検討するため、先月、プルトニウムを取り出す再処理工場を運営する日本原燃から意見聴取し、今後、文部科学省や資源エネルギー庁を予定しています。

 政府は、プルトニウムを循環させる核燃料サイクル路線の推進に固執。しかし、中核的施設と位置づけられた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)の廃炉が決定。再処理工場を運営する日本原燃は昨年(2017年)末、竣工(しゅんこう)時期を、18年度上期からさらに3年延長すると発表し、延期を24回も繰り返すなど、サイクル路線は破綻しています。

(「しんぶん赤旗」2018年3月19日より転載)