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原発ゼロ法の実現を・・東京・全国集会に3000人

(写真)原発ゼロの未来へと「3・4全国集会」に福島県などから駆けつけ、参加した人たち=3月4日、東京都千代田区

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からまもなく7年となる4日、「原発をなくす全国連絡会」が「原発ゼロの未来へ 福島とともに 全国集会」を東京・日比谷野外音楽堂で開きました。福島をはじめ各地から3000人(主催者発表)が参加。春の日差しのなか、たたかいの力で原発ゼロ基本法を実現し、原発のない日本をつくろうとの発言が相次ぎました。

 主催者を代表してあいさつした小田川義和さん(全労連議長)は、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が公表した「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」について「全面的に賛成し、実現へ力を尽くす」と表明。「被災者救済でも、再稼働阻止でも攻めの情勢をつくりだしてきた。原発ゼロへ、福島とともに歩んでいこう」と呼びかけました。

 日本共産党の志位和夫委員長があいさつしました。

 原自連会長の吉原毅さん(城南信用金庫顧問)がメインスピーチしました。原発ゼロ基本法案について「電力会社もつぶれない、立地地域の経済も困らない。困るのは原発の利権にまみれた一部の人たちだけだ。基本法実現へ大きく世論を盛り上げていこう」と呼びかけました。

 「原発問題住民運動全国連絡センター」筆頭代表委員で「原発事故被害いわき市民訴訟」原告団長の伊東達也さんが特別発言し、「福島県民は、日本で最初に原発ゼロの県をめざして頑張る」と力を込めました。

 首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんは「国会は与党が多数だが、基本法実現へ、私たちが声をあげることで後押ししよう」と語り、「さようなら原発1000万人アクション」の井上年弘さんは「私たちの運動で、今の状況を変えていこう」と強調しました。福島県からは、バス5台で180人が参加しました。

 自由党の山本太郎共同代表、新潟県の米山隆一知事、「脱原発をめざす首長会議」の上原公子事務局長がメッセージを寄せました。日本共産党の笠井亮衆院議員、岩渕友、吉良よし子の両参院議員が紹介されました。集会後、参加者は銀座までパレードしました。

「野党共同法案まとめたい」・・志位氏あいさつ

 志位氏は「この間、原発ゼロの未来を開く希望ある動きが起こっている」として、小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が発表した「原発ゼロ基本法案」について「全面的に賛成です」と高く評価。「運転している原発は直ちに停止する」「原発の再稼働は一切認めない」という「基本法案」の「肝」の考え方が生きる形で「野党共同の法案をまとめていくために話し合っていきたい」と表明しました。

 志位氏は、原発にしがみつく勢力は「原発ゼロは非現実的」と攻撃しているが、非現実的なのはどちらかと問いかけ、(1)どの世論調査を見ても再稼働反対は過半数(2)原発は究極の高コスト、世銀総裁も「原発の投資は行わない」と表明(3)「核のゴミ」の問題は完全に行き詰まった―と指摘。ドイツの例を紹介して、「原発ゼロの決断をしてこそ、自然エネルギーの飛躍的普及が現実になる」と力を込めると、拍手と歓声が湧き起こりました。


力合わせ原発ない未来・・東京・日比谷 3・4全国集会 各氏のスピーチ

 3月4日、東京・日比谷野外音楽堂で行われ3000人が集まった「原発ゼロの未来へ 福島とともに3・4全国集会」(主催=原発をなくす全国連絡会)。ステージでは「力をあわせて、原発ゼロの日本を実現しよう」の訴えが相次ぎ、会場は拍手と熱気に包まれました。

原発はいらないと銀座をパレードする全国集会の参加者=3月4日、東京都中央区

攻めの状況いかそう

全国連絡・・小田川義和さん

 本日の集会には、原発即時停止と再稼働・新増設の禁止を内容とする「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を公表された、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長」(原自連)の吉原毅さんにお越しいただいています。提案に全面的に賛同し、実現に私たちも奮闘する決意を申しあげたいと思います。

 7年が経過しても、事故の収束も原因の解明もできない原発事故の過酷さ、今なお11万人もの方が故郷を離れて暮らさざるを得ない放射能被害の深刻さ、核ゴミ処理技術の未確立、廃炉を含めた事故対策費用の巨額さなど、原発の存在が国民の人格権を侵害し、動かせば動かすほど国民負担がかさむことがはっきりしました。

 それが原自連の提案となり、原発ゼロの声が運動の本流となり、再稼働反対が6割以上を占める固い世論になっています。

 福島切り捨ての政治からの転換を求める取り組み、原発事故からの人間復興を求める取り組みはこれからが本番です。取り組みをいっそう強めましょう。

 昨年は、前橋、干葉、福島地裁と相ついで原発事故の賠償を求める訴訟の判決が出されました。昨年(2017年)12月、広島高裁は四国電力伊方原発の運転差し止めを認めました。初の高裁判断です。

 被災から7年、被災者救済でも、再稼働阻止でも、攻めの状況をつくりだしています。これを最大限いかし、原発ゼロの社会へ福島とともに歩んでいこうではありませんか。

即時ゼロこそ現実的・・「原発ゼ囗・自然エネルギー推進連盟」会長

 私たち原自連は、さまざまな団体・市民の方がたと団結し、思想・信条を超え、保守から革新までが集まり、原発を止めようとつくった団体です。

 原発は大変なリスクを負っていることがわかりました。それにもかかわらず、政府はいまだに原発を稼働しようとしています。絶対にあってはいけません。

 世界では、自然エネルギーが大きく拡大しています。原自連として、自然エネルギー庁や電気事業連合会(電事連)にも要望しました。政府は原発を推進していますが、決して一枚岩ではありません。

 原発即時ゼロこそが現実的で、安心・安全の日本につながります。大企業も原発ゼロに転換しないと世界の経済から取り残されることがわかってきました。ここが勝負どころです。

 2030年なんていわず原発即時ゼロを主張して、超党派に働きかけていきたい。原発ゼロ法案は、電力会社や原発立地地域のことも考えた誰も困らない現実的な法案です。困るのは一部の利権にまみれた人たちだけです。私たちも全国を回って、超党派で、みなさんとともに頑張っていきます。

原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・原発事故被害いわき市民訴訟原告団長 伊東達也さん・・ゼロの日本福島から

 原発事故の発生からまもなく7年がたちますが、3・11前の暮らしは取りもどせていません。損害賠償も打ち切られましたが、被害は続いています。最たるものは、故郷に戻れない人が11万人もいるということです。

 いまだに使用済み核燃料は取り出せず、廃炉の見通しもたっていません。福島に住む人の健康不安や廃炉作業に携わる労働者の健康確保の問題など、たくさんの課題が山積しています。

 それなのに安倍政権や電力会社は、事故を忘れたかのように原発を推進し、輸出に突き進んでいます。

 国民世論は再稼働反対が圧倒的です。司法も変化しました。再稼働の差し止めは4度も出ています。国と東電の責任を求める流れができつつあります。再び大事故を発生させないように福島は、日本で最初の原発ゼロの県をめざして頑張ります。

首都圏反原発連合 ミサオ・レッドウルフさん・・声あげ追い風つくる

 今年の3・11は、去年より気分が軽い感じで迎えられそうです。原自連や立憲民主党が提出しようとしている「原発ゼロ法案」や、広島高裁の伊方原発差し止め決定があったからです。減ってきていた毎週金曜日の首相官邸前抗議の参加者も増え、元気になっています。今年は脱原発のターニングポイントになるのではと実感しています。

 国会のなかでは与党が多数を握っていますが、私たちがもっと声をあげることで追い風をつくり、盛りあげていくことはできると思っています。これからも、原発をなくす全国連絡会、さようなら原発1000万人アクション、反原連、そして全国の市民のみなさんとご一緒に声をあげていきます。

さよなら原発1000万人アクション 井上年弘さん・・国と東電の責任追及

 福島第1原発事故から7年がたちました。いまだに生活を立て直せない人たちが多くいます。この責任はだれにあるのか。国と東電、原発を推進してきた人にあります。責任を追及し、同時に福島を風化させてはならないと思います。

 国会の多数は政権が握っています。私たち大衆運動が盛りあがらなければ、この状況は変えられないのではないのでしょうか。原発に反対しているさまざまな団体との大結集をめざしていきたいです。

 原発ゼロを実現するためには、破たんしている核燃料サイクルを広く国民に明らかにすることが大事だと思っています。私たちは、福島と連帯し、脱原発の声をみなさんと一緒にあげていきます。

((「しんぶん赤旗」2018年3月5日より転載))