日本共産党の高橋千鶴子議員は2月26日、衆院予算委員会分科会で、六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)で昨年10月に雨水流入など保安規定違反が複数指摘され、原子力規制委員会による審査が中断された問題を取り上げ、同工場を運営する日本原燃のずさんな保守管理の実態を示し、核燃料サイクルの撤退を求めました。
高橋氏は、配管を収める空間「配管ピット」を2003年から14年間、一度も点検せず、長期にわたって雨水による水没が見過ごされてきたことを挙げ「深刻な事態だ」と指摘。原燃について「企業の資質そのものが問われている」とただしました。原子力委員会の更田豊志委員長は「(今回の問題は)新規制基準以前の問題だ。環境や人に影響する恐れのある物質を扱う企業として自らの施設の仕組みを掌握するのは当然のことだ」と答弁しました。一方で「(原燃は)厳しい受け止めかたをした」などとして、「設備の点検、再確認を注視したい」と述べました。
高橋氏は、原燃が事業者としての資質を欠く状態で大臣が青森県に対して「核燃料サイクル政策に変わりがない」と確約できるはずはないとして、「核燃料サイクルありきの姿勢を見直すときだ」と迫りました。世耕弘成経済産業相は、放射性廃棄物の減少など核燃料サイクルは「メリットがある」などとして推進する姿勢を示しました。
(「しんぶん赤旗」2018年2月28日より転載)