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東電に「適格性」ない・・柏崎刈羽原発「合格」

 

新潟大学名誉教授で新潟県技術委員会委員 立石雅昭さん

新潟大学名誉教授で新潟県技術委員会委員 立石雅昭さん

 東京電力は検査データ改ざんなどさまざまなトラブルを起こし、国民・県民を欺いてきました。今年も柏崎刈羽原発の審査でも虚偽の説明をしていたことが発覚しました。そうした東電の体質が改まったという確証があるでしょうか。

 原子力規制委員会は今回、原発を運転する「適格性」を評価する際、東電幹部から聴取したとか、「経済性を優先する考えはない」などという決意を示した文書、職員の聞き取りだけで、「適格性」を認めたことに納得がいきません。

 東電はトラブルのたびに再発防止策を発表してきました。にもかかわらず、虚偽・隠ぺいを繰り返しています。組織的な問題まで踏み込む必要があるのに、今回の審査にそうした具体的な内容がなかったのは問題です。

 また、私たち(柏崎刈羽原発活断層問題研究会)は、敷地直下の断層について活断層を否定する東電の評価は根拠がないとする独自の調査結果を発表しています。今回の意見公募に対する規制委の考え方に私たちへの反論もありますが、断層のでき方などを議論せずにこれまでと同じ見解を示しているにすぎません。

 いずれにしても国民・県民を欺いてきた東電への不信はぬぐえておらず、県民にとって規制委の今回の判断は受け入れがたいと言わざるを得ません。

(「しんぶん赤旗」2017年12月28日より)