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放射能汚染 あばき続ける・・獨協医科大学准教授 木村真三さん

私は福島でホームステイをしながら放射能汚染の調査を続けています。共に暮らし、一緒に泣き笑いするなかで、住民が抱える多くの問題やその解決策も見えてきます。

きむら・しんぞう 1967年愛媛県生まれ。獨協医科大学准教授。原発事故直後から福島に入り、放射能汚染調査や除染などにとりくむ。チェルノブイリ原発事故の調査も続けている。
きむら・しんぞう 1967年愛媛県生まれ。獨協医科大学准教授。原発事故直後から福島に入り、放射能汚染調査や除染などにとりくむ。チェルノブイリ原発事故の調査も続けている。

罰せられても

秘密保護法が成立しましたが、私は、調査してデータを積み重ね、住民に正しい情報を知らせて理解してもらうための努力を続けていこうと思います。地道ですが、これが私なりのたたかいです。

秘密法で私は罰せられるかもしれない。しかし罰せられてもいいと思っています。なぜなら、正しいことが言えなくなった時点でこの国はどうしようもなくなっていく。だからたたかわなければいけないと思うのです。

安倍首相は、五輪招致の演説で、福島第1原発事故の放射性物質の汚染水問題について「状況はコントロールされている」「影響は第1原発の港湾内で完全にブロック」と言いました。その後、首相は福島原発を視察(2013年9月19日)しましたが、同じ時、実は私は、福島原発の港湾の外で海水を調査していたのです。調査では、明らかに放射能漏れがおきており、港湾外の海水からもトリチウム、セシウム137および134を検出しました。コントロールもブロックもされていないことをあばいたのです。

政府は基準値内と言いますが、放射性物質を流出しながら大量の海水に薄まるために濃度が下がっているという″マジック″です。むしろ私は、海水で薄められながらも検出されるレベルの放射性物質があることに恐怖心をもっています。

こうした政府にとって都合の悪い情報が秘密法で隠されてしまうのではないか。国民の生活や安全よりも「国益を損なう」という言葉で、情報がコントロールされれば、昔の軍国主義の日本と同じになってしまいます。大阪市長の橋下徹さん(日本維新の会共同代表)がファシズムのような考え方をしていますが、安倍政権はもっと危険だと感じています。

団結して進む

安倍政権は再稼働を進めようとしていますが、福島原発事故の被害が続き、収束すら見えていないにもかかわらず、再稼働なんて絶対にありえません。

住民は、放射線の被ばくだけでなく、原発事故が生んだ家族や地域の崩壊などに苦しんでいます。支援を放射線量で区分するのではなく、こうした原発事故が原因の全ての被害を認め、支援することが必要です。

事故から2年10力月たちますが、この間、私は「子どもを守るんだ」という女性の力を強く感じています。その力がうまく大同団結すれば、世の中、良い方向に進んでいくと思っています。

聞き手 前野哲朗
写真  佐藤光信

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