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住民向けの核のゴミ意見交換会・・学生に「参加したら1万円」 委託先業者が動員

 原発の使用済み核燃料の再処理で出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を地下に埋める最終処分場の建設事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は11月14日、経済産業省と同機構が開いた住民向け意見交換会で、委託先の業者が一部学生に「参加すれば1万円の謝金を支払う」などと伝え、5会場で39人の学生を参加させていたと発表しました。

  意見交換会は先月から福島県を除く46都道府県で実施予定。政府が7月に公表した、処分場建設で調査対象になり得る地域を示した全国地図「科学的特性マップ」について説明するため行われています。

 同機構の中村稔専務理事らが14日に記者会見を開き、謝金は実際には支払われなかったと説明。しかし、意見交換会は核のゴミの最終処分事業への理解を求める目的で行っており。「活動の公正性について不信感を招きかねない」(宮沢宏之理事)として謝罪しました。

 機構によると、6日にさいたま市内で開催した意見交換会で学生の1人が謝金をもらえるとの話を知人から聞いて参加したと発言。機構が調査したところ、委託先業者の「株式会社オーシャナイズ」(東京都港区)が一部の学生に「参加すれば謝金を支払う」と伝えていたことが分かりました。委託先の働き掛けで学生12人が参加していました。

 ほかの意見交換会では、謝金による動員は行われていなかったといいます。しかし、この業者は学生サークルに対し、会議室の提供や印刷代行などの活動支援を見返りに参加を呼び掛けることも行っており、東京など4会場で行われた意見交換会に計27人の学生が参加していました。

(「しんぶん赤旗」2017年11月16日より転載)