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柏崎刈羽「適合」の審査書案・・規制委公表 福島と同じ沸騰水型 & 伊方原発が定期検査へ

柏崎刈羽「適合」の審査書案・・規制委公表 福島と同じ沸騰水型

 原子力規制委員会は9月27日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の新規制基準に適合しているとする審査書案を公表しました。規制委は、同日の定例会合で審査書案を議論しましたが、案をまとめた事務方に質問が相次ぎ、審議を次回(来月4日)に継続し、結論を持ち越しました。

 事故を起こした福島第1原発の各号機と同じ沸騰水型としても、東電としても、事故後初めての審査書案です。

 審査書案では、同原発の敷地は、地層が曲がった摺曲(しゅうきょく)構造など地下の構造が複雑で、想定される地震の揺れ(基準地震動)は6、7号機がある北側では最大で1050ガル(ガルは加速度の単位)ですが、1~4号機のある敷地南側は同2300ガルです。審査の中で規制委が震源となる断層をより長く設定するよう求めたものもありました。

 想定される基準津波は、高さは最大で8・3メートルとしています。

 敷地内では重要施設の下で断層が見つかっていますが、その上に約24万年前の地層があるため、将来動く可能性のある活断層ではないと断定。会合では、地元の専門家らが、東電が地層の年代評価の根拠にしている火山灰の年代推定に疑問を呈していることに触れ。「なぜそういう見解が出てくるのか」などの質問がありました。

 沸騰水型原発は、すでに再稼働している加圧水型と比べて各段に格納容器が小さく、炉心溶融後の事故進展が一段と早くなります。このため格納容器の防損防止として、フィルターで放射性物質をこしとった後、大気中に圧力を逃す「フィルター付きベント(排気)」が必要となります。

 東電は、新たに代替循環冷却系を格納容器に取り付けるとしており、ベンド使用が避けられると主張。審査書案も妥当としています。この場合の大気中へのセシウム137の放出量は、7日間で1基当たり15テラ(1テラは1兆)ベクレルです。

(「しんぶん赤旗」2017年9月28日より転載)

 

伊方原発が定期検査へ

 四国電力は9月27日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)が10月3日に運転を停止し、定期検査に入ると発表しました。昨年8月の再稼働以降、初めての定期検査。来年1月22日に運転を再開するとしています。

 原子炉本体などを検査するほか、燃料集合体157体のうち、50体のウラン燃料を取り換え、原子炉容器のふたの取り換えと非常用ディーゼル発電機の火山灰対策の工事を行うといいます。

 伊方3号機をめぐっては、住民による運転差し止めの仮処分を広島地裁と松山地裁がそれぞれ却下。他に大分地裁、山口地裁岩国支部でも同様の仮処分が申請されています。

(「しんぶん赤旗」2017年9月28日より転載)