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柏崎刈羽“適合”27日にも・・東電 規制委の条件受け入れ

 原子力規制委員会は9月20日、東京電力の小早川智明社長らを呼び、東電が先月25日に規制委に提出した回答文書を柏崎刈羽原発(新潟県)の保安規定に記載する方針を確認しました。これを受けて規制委は、27日にも柏崎刈羽原発6、7号機の技術的対策が新規制基準に適合すると認める審査書案を示すとみられます。

 保安規定は原発の運転管理などの対応手順や体制などを定めたもので、電力会社が作成し、規制委が認可します。

 保安規定への回答文書の反映は、規制委が、原子力事業者としての東電の適格性を認める判断の前提としていたことの一つ。「経済性よりも安全性を優先する」などとした回答文書の内容を確実に実行されることを担保するためだ、として規制委が求めていました。

 小早川社長はこの日、規制委の条件を受け入れ、「原子炉設置者としての適格性維持に努める」と述べました。

 適格性を認める上でもう一つの前提は、東電を所管する経済産業相が回答文書に異論がないかです。規制委は、同6、7号機の審査書案を了承した後の意見聴取の中で、確認する方針です。

安全の担保どこに

解説  規制委は、東京電力が回答文書を柏崎刈羽原発の保安規定に明記することで、田中俊一委員長は「非常に大きな効力を持つ」「たががはめられた」としています。保安規定は、原発を運転する際に実施する事項などを記載したもの。事前に認可を受ける必要がありますが、事業者が自ら策定し、自ら順守する必要があります。

 福島第1原発廃炉への姿勢などを示した回答文書を保安規定に記載することで、形式的には、東電の福島第1原発への対応が、柏崎刈羽原発の運転停止や時には、許可の取り消しにもつながることになります。

 しかし、東電の回答文書は廃炉を「やり遂げる覚悟」など、決意を示したもので、抽象的で著しく具体性に欠くものです。これらの決意から、何をもって保安規定違反を判断するのか、規制委は見解を示していません。

 また、保安規定の変更認可は通常、専決処理の対象、通常は、認可後に規制委へ定期的に報告される事項の一つです。たとえ、今回の変更が事前に規制委で議論されたとしても、その後の変更認可が規制委で適正に監視されるのか保証がありません。  (松沼環)

(「しんぶん赤旗」2017年9月21日より転載)