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核のごみ・最終処分場「敵地」公表・・社会的合意形成のため 原発使用「即ゼロ」こそ

 「核のゴミ」の最終処分地候補になりうる全国地図の公表は、「国が前面に立つ」として、政府のエネルギー基本計画(2014年4月)で示された地方への「核のゴミ」押し付けの具体化です。応募自治体を待つ方式では一向に進まないことから、政府があらかじめ「適地」を示し、政府が個別に申し入れる方式に変えました。

 政府は公表した地図に基づいて国民の理解を得たいとしています。しかし、国民の間には最終処分場の合意が、原発の永続的利用につながるのではないかという懸念があります。

 政府は原発の是非にかかわりなく今も使用済み核燃料が存在することをもって、「現世代の責任」を強調します。

 しかし、国民の過半数が再稼働に反対するなか、核のゴミをさらに増やす原発再稼働を強引に進める政府のもとでは、処分場受け入れの合意を得ることは極めて困難とみられています。このため地図公表に続いて、上からの押し付けを強める危険があります。

 国が核のゴミの最終処分場の公募を始めたのは2002年。自治体が名乗りを上げれば、調査段階から、自治体に多額の交付金が入る方式でした。しかしこれまで正式に応募したのは、07年1月の高知県東洋町のみです。同町では、議会や住民の反対を無視した町長の応募に批判が強まり、町長の辞任、町長選を経て町は約3カ月後、応募を取り下げます。

 応募の意向について幾つかの自治体の名前が取りざたされましたが、その都度住民の反対が沸き起こり、いずれも正式の応募には至っていません。

 高レベル放射性廃棄物の処分に関して、日本学術会議は2012年、政策の抜本的見直しなどを提言しています。そこでは、原発に関する大局的政策への社会的合意のないまま最終処分場選定という個別争点への合意形成を求めることについて、「手

続き的に逆転」していると批判しています。

 学術会議は昨年(2016年)、インターネットを利用して、最終処分に関する討論型世論調査を行いました。その結果では、討議前は原発に「当面は依存すべき」が最も支持を得ていましたが、討議後には「すみやかにゼロにすべき」が最も支持を得る結果になっています。

 原発を今後どうするのかの合意が、核のゴミ処分に向けた国民的な議論の前提です。まずは原発の稼働を取りやめ、これ以上危険な負の遺産を増やさないことが、現世代が果たすべき責任です。

(松沼環)

核のゴミ・・

原発の使用済み核燃料の再処理でウランやプルトニウムを取り出した後に残る高レベル放射性廃棄物。10万年にもわたり強い放射線を出すため、政府は、ガラスと混ぜて固体にして、地下300メートルより深い地層に埋めて最終処分するとしています。しかし、地震・火山大国の日本で長期間、安全な状態を保つ場所を見つけるのは困難と指摘されています。

「核のゴミ」地図の窓口

 経済産業省は7月28日、高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)の最終処分場候補になりうる地域を示す全国地図を同省資源エネルギー庁「科学的特性マップ公表用サイト」で掲載。原子力発電環境整備機構(NUMO)などのホームページでも掲載しています。

 また、同省は問い合わせ窓口も設置しました。

【資源エネルギー庁】

電力・ガス事業部 放射性廃棄物対策課

電話 03(3501)1992

ファクス 03(3501)1840

(「しんぶん赤旗」2017年7月29日より転載)