東京電力福島第1原発事故の被害者が国と東電の責任を問う干葉訴訟と生業(なりわい)訴訟の判決が9月以降相次いで予定されています。判決を前に、生業訴訟原告団長の中島孝さんが7月22日、東京都内で講演し、訴訟の意義を語りました。約50人が参加しました。
主催は一般財団法人東京保健会病体生理研究所、公害・地球環境問題懇談会です。
講演で中島さんは「被災地が原発事故前の姿に戻るまで、国と東電は賠償を行うべきです。訴訟に立ち上がったのは一部だが、すべての福島県民が被害者。一人ひとりが、語らざる苦労を胸に抱えている」と指摘。
さらに中島さんは「避難区域外には、避難したくてもできなかった人がたくさんいます。あるいは避難指定を解除された地域でも、住民の減った地域に商工業者や若い世代が帰還することは困難なのに、賠償は解除後1年で打ち切られてしまう」と実態を語りました。
生業訴訟の意義について中島さんは「『全体救済』が我々のスローガン。この訴訟が求める精神被害の賠償が認められれば、これまで対象外だった広範な人々が救済される」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2017年7月23日より転載)