東京電力は6月4日、福島第1原発で高濃度の放射能汚染水をためているタンクから漏水があったと発表しました。漏れやすい組み立て式(フランジ型)タンクに、処理途中の汚吸水をためていました。漏れた汚染水は周囲を囲むせき内にとどまっているといいます。
東電によると、6月4日午後4時5分ごろ、4号機南西側にあるタンク群を巡視していた関連企業の作業員が、タンク1基の側面の接合部付近から水が滴っているのを見つけました。タンクの容量は500トンで、汚染水は毎秒5~7滴漏れていました。
滴下量は約45リットルと推定。放射性物質濃度は、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり約540万ベクレルでした。
このタンクは2013年6月から使用を開始。これまで東電は、組み立て式タンクについて5年程度は使用可能との認識を示していました。
第1原発では漏れにくいとされる溶接型タンクの建造が遅れており、組み立て式も併用して使わざるを得ない状況が続いています。既に使用開始から5年を経過した組み立て式タンクもあり、汚染水対策の課題の一つとなっています。
東電は今後、漏水が判明したタンクの汚染水を別のタンクへ移送すると説明しています。
(「しんぶん」赤旗2017年6月6日より転載)