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つながり広がって地域活性化・・“地産地消”食とエネ プロジェクト快調

14-01-20tisan 穏やかな海、ミカン山・・。神奈川県小田原市西部。閉校になった中学校に人々が集まり、食とエネルギーについて共に学び作る体験を通し、交流を深めています。市民や、教育委員会、小学校が丸ごとかかわった「片捕 食とエネルギーの地産地消プロジェクト」です。
(都光子)

神奈川・片浦地区

片浦地区は、小田原市の石橋、米神、根府川、江ノ浦の4地域からなる、旧片浦村だった地域です。以前から少子高齢化がすすみ、その対策が課題となっていました。そこに2010年の中学校の閉校・・。「小学校まで閉校にさせたくない」「地域を活性化させたい」と、片浦中学校を拠点に、新たな地域コミュニティー作りが始まりました。

それが「片捕食とエネルギーの地産地消プロジェクト」です。中学校の校庭に畑や野外キッチンを作ったり、手作りの太陽光パネルを設置したり、食べ物やエネルギーを自分たちで作る体験をしながら交流しています。

地域住民のほか、同市教育委員会、隣接する片浦小学校、地域のNPOなどいろいろな人たちがかかわっています。

農園や太陽光

畑はトマトやブロッコリー、大豆などいろいろな野菜が育っています農薬や化学肥料は使わず、ここで出た野菜のくずや生ごみを堆肥にして使っています。命の循環です。

プロジェクトでは、農園づくりそのものを、広く参加者を募り、みんなの手で作りました。かまどやオーブンの材料となる土やわらは近所の人たちから分けてもらいました。

根府川で農家レストランを営む佐久間孝子さん(37)は、片浦小・中学校の卒業生。「食やエネルギーの地産地消に関心があったので、ぜひやりたいって思いました。このプロジェクトで自分も勉強になっています」と、店にも土でオーブンを作りました。「地域の人とのつながりも新しくでき楽しいです。でもまさか後輩と一緒に活動するとは思わなかった」と笑います。

その後輩が鈴木篤史さん(35)です。「地元で何かやりたいと思ってたので、すぐに参加を決めました」と言います。かまどは、日干しれんがから作りました。石でロケットストーブも作りました。「手間がかかって大変そうって言われますけど、自分たちにもできるんだって発見できておもしろかったです」と言います。「昔の人は毎日まきでご飯を炊いていたんだし、それを自分たちもできたってことがうれしい」

さらに、自分たちの手作りで設置した発電量50ワットの太陽光パネルは、最初校庭の照明だけでしたが、家庭にも普及しようと、「片浦電力」と名づけ、ワークショップで独立型太陽光発電の作り方を伝授。設置・メンテナンスも鈴木さんを中心に引き受けています。

生きる知恵を

教育委員会の石田恭世さん(32)は「このプロジェクトに、片浦小学校の子どもたちも参加し、畑の体験などをしています。小学校の児童数は現在70人。1クラス15人以下です。昨年度(2013年)から小規模特認校になりました」と言います。特色のひとつとして、地域の自然を生かした体験学習などがあり、学区外からの入学ができるようになりました。「ここの校庭での体験活動も魅力のひとつなんですよ」

小田原市中心に住む益子明美さん(41)は3歳、6歳の息子2人と毎回のように参加しています。「ここでは普段できないことをやらせてもらっていて、楽しいです。私たちって自然と共存しているんだってことを毎回実感しています」

事務局長の帰山寧子さん(48)は、「年末のイベントでは、みんなで近くの雑木林で小枝を拾い、火をおこし、畑でとれた野菜を使って料理を作りました。生きていくためのいろんな知恵がここにつまっています」と話します。「食もエネルギーも生きていくために不可欠なこと。地域の人とここに訪れるさまざまな人たちがつながり、地域に新たな種をまくきっかけづくりとして、このプロジェクトをもっと広げていきたい」

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