東京地裁
東京電力福島第1原発の事故対応などに従事した後、白血病を発症して労災認定を受けた北九州市の元作業員の男性(42)が、「病気は被ばくが原因だ」として、東電と九州電力に計約5900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2月2日、東京地裁(東亜由美裁判長)でありました。両社は請求棄却を求め、争う姿勢を示しました。
男性は法廷で意見陳述し、現場での放射線管理がずさんだったとした上で、「福島のために命懸けで作業に取り組んだ私たちを危険にさらしておきながら、責任を顧みない東電などには強い怒りを覚える」と語気を強めました。
訴状によると、男性は2011年10月~13年12月、2次下請けの作業員として福島第1、第2原発や九電玄海原発で溶接などを担当。14年1月に急性骨髄性白血病と診断されて入院し、15年10月に白血病で、昨年5月にうつ病でも労災認定されました。
男性側は、福島第1原発で約15・7ミリシーベルト、累積で約19・8シーベルトに上る高線量の被ばくが原因だとした上で、「東電や九電は安全対策を怠り、無用で過大な被ばくをさせた」と主張しています。
浜岡原発5号機配管に穴2ヵ所 中部電力
中部電力は2月1日、浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)のタービン建屋内で、冷やした蒸気が水となって流れる配管に穴が見つかったと発表しました。配管が茶色く変色した部分で穴が2ヵ所あり、中部電は原因の調査や補修を行います。
穴が見つかったのは、原子炉で発生させた蒸気が冷えて水となった後に流れる配管で、運転中は放射性物質も含まれます。5号機は現在運転を停止しており、中部電は外部への影響はないと説明しています。
5号機は2011年5月に運転を停止する際に海水が設備内に流れこみ、原子炉内で塩分によるとみられる腐食などが見つかっていました。
(「しんぶん」赤旗2017年2月3日より転載)