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「脱原発」加速を否決・・スイス国民投票 賛成は45・8%

11月27日、スイスのベルン近郊にあるミューレベルク原発(AFP時事)
11月27日、スイスのベルン近郊にあるミューレベルク原発(AFP時事)

 【フランクフルト=時事】スイスで11月27日、「脱原発」政策をめぐる国民投票が行われ、国内5基の既存原発の運転停止を2029年に早め、脱原発を加速する提案が反対多数で否決されました。投票結果は、反対54・2%に対し、賛成は45・8%にとどまりました。投票率は45%でした。

 スイスは、東日本大震災での東京電力福島第1原発事故を受け、原発の新設凍結と既存原発の順次停止という脱原発方針を決定しましたが、既存原発の運転年数の制限は定められていませんでした。

国民投票にかけられた提案は、既存原発の運転年数を45年間に制限し、17年中に3基を停止、残る2期も運転開始から45年で停止し、29年までに全原発を停止することを求めていました。

 5基のうち最も古いベツナウ1号機は1969年の運転開始から既に45年以上経過。72年に運転開始したミューレベルク原発は、維持コストの問題で19年12月に廃炉となる予定。

 スイスは電力の約4割を原子力に依存し、残りを主に水力発電で賄っています。国民投票を提起した野党・緑の党など脱原発推進派は、再生可能エネルギーでの代替を急ぐべきだと主張。一方、政府は、性急な脱原発は、電力不足を招き、近隣国から電力輸入が必要になるなどの理由で反対姿勢を示していました。

(「しんぶん」赤旗2016年11月29日より転載)