【マラケシュ(モロッコ)=島崎桂】
日本共産党の武田良介参院議員は11月13日、モロッコのマラケシュで開催された列国議会同盟(IPU)の議員会議に参加しました。各国でパリ協定の目標達成に努めるとした総括文書を採択しました。
IPUは世界各国の議会議員らで構成する国際機関。毎年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)に合わせ、2009年から原則年1回、招集しています。今回は約60力国・200人の議員が参加しました。
総括文書は「気候変動の現実と、その結果に対する国際社会の意識の高まりを歓迎する」と強調。多くの参加議員は、自国の削減目標の引き上げに向けた意志を示しました。
武田氏は会議後、世界が「脱炭素化」に向かう中、原発と石炭に固執する日本政府の姿勢を改め、積極的な気候変動対策に転じる
「思い切った政治的決断が早急に必要だ」と語りました。
NGOと懇談
武田氏は、会議に先立つ11月12日、COP22の会場を訪れ、日本から参加しているNGO代表団と懇談しました。各代表からは、日本政府の態度見直しを求める声が相次ぎました。
日本政府が推進する高効率の石炭火力発電所についてWWFジャパンの山岸尚之さんは、世界で建設予定の金石炭火発を高効率化してもパリ協定が目指す気温上昇幅の抑制(2度未満)は達成できないとの試算を示しました。
FoEジャパンの深草亜悠美さんは、日本政府が100%出資する国際協力銀行(JBIC)がかかわるインドネシアの石炭火発で、地元住民の健康被害や生業(なりわい)への悪影響が出ていると告発。被害住民3人が11月10日、JBICの追加融資停止を求めて異議申し立てをしたと紹介。
地球環境市民会議(CASA)の早川光俊さんは、「批准が遅れた日本は削減目標を引き上げることで名誉挽回してほしい」と要望しました。
(「しんぶん」赤旗2016年11月16日より転載)