【マラケシュ(モロッコ)=島崎桂】米二ューヨークを拠点とする環境団体「天然資源保護協議会」と米非営利団体「オイル・チェンジ・インターナショナル」は11月14日、日本が今後、世界最大の石炭投融資国になるとの報告書を発表しました。開催中の国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)で記者会見し、詳細を報告しました。
気候変動対策の必要性から、欧米諸国を中心に世界各国で石炭投資の停止が進む中、「脱炭素化」に逆行する日本政府の姿勢が改めて示された格好です。
「石炭の呪縛」と題された報告書は、20力国・地域(G20)を対象に、石炭関連事業への公的支援状況をまとめたものです。2007~15年にG20が行った石炭投資のうち、約80%を中国(32%)、日本、(28%)、ドイツ(12%)、韓国(9%)の4力国が占めたと指摘。計画中の石炭投資額では、日本が総額約100億ドル(約1兆800億円)に上り、2位の中国(約80億ドル)を上回っています。
気候ネットワークの平田仁子理事は、日本政府が石炭火力発電所の「高効率化」や「クリーンな石炭」を掲げる一方、投資先の国では「健康、環境、社会問題を引き起こしている」と指摘。国内で計画中の石炭火発48基の新設と併せ、日本の石炭推進は「誤り」であり「無責任だ」と訴えました。
(「しんぶん」赤旗2016年11月16日より転載)