東京電力は11月10日、廃炉作業を進めている福島第1原発について、1号機を覆うカバーパネルの解体工事が完了したと発表しました。水素爆発で破損した建屋にある使用済み燃料プールから核燃料を取り出すために、周辺のがれきを撤去する必要があり、パネルが邪魔でした。
1号機は、2011年3月に水素爆発で建屋上部が吹き飛んだため、同年10月に応急的措置としてカバーパネルを設置していました。パネルを取ることで1号機から放射性物質を含む粉じんが舞い上がる恐れがあるため、散水設備を設置したり飛散防止剤を散布したりするなどの対策を取っています。
東電によると、11月10日午前5時59分から20分ほどかけ、最後のパネルを取り外しました。今後は使用済み燃料プール周辺を調査し、17年3月末までを目安にがれき撤去を始めます。燃料プール内の核燃料取り出しは、21年3月開始を目標としています。
(「しんぶん」赤旗2016年11月11日より転載)