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核開発 後押しやめよ・・日印原力協定反対/市民団体が集会

日印原子力協定の反対集会で訴えを聞く参加者=11月7日、国会内
日印原子力協定の反対集会で訴えを聞く参加者=11月7日、国会内

 インドヘの原発など日本の核技術の輸出を可能にする「日印原子力協定」に両政府が今月にも署名するとの報道を受け、反対する市民らでつくる「日印原子力協定阻止キャンペーン2016」が11月7日、国会内で集会を開きました。インドからの参加者は「協定を結べば、日本がインドに『第6の核保有国』としての地位を認めることになる」と強い危機感を表明しました。

 協定をめぐっては昨年12月に安倍首相がインドを訪問した際に両政府が締結で「原則合意」。モディ印首相の来日に合わせ、今月11日にも署名すると報じられています。

 インドは核不拡散条約(NPT)にも包括的核実験禁止条約(CTBT)にも加盟せず、1998年の核実験で核武装を宣言しました。しかし2008年に米国と原子力協定を結んだ後、核不拡散体制の「例外扱い」として各国の核技術を導入できるようになりました。日本との原子力協定もこの一環です。両国の反原発運動は「インドの核開発を是認することになる」と批判してきました。

 この日の集会でインドの反核団体「核軍縮平和連合」のスンダラム上級研究員は、インドと対立している隣国のパキスタンがやはり核武装を宣言していることなどを指摘。「インドの核開発を支援すれば南アジアの安全保障にも悪影響を与える。核不拡散にも逆行する。協定締結は人災だ」と強調しました。

 岐阜女子大学南アジア研究センターの福永正明客員教授は「日本がインドに原発を売るということは、NPT体制を被爆国である日本が壊すということだ」と語りました。

(「しんぶん」赤旗2016年11月8日より転載)