原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査会合が10月27日に開かれ、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の事故時の対策拠点を防潮堤が液状化の恐れがあるとして変更する問題で、東電は、液状化の影響がある防潮堤を審査の申請から取り下げると報告しました。
東電は10月13日、事故時の対策拠点を当初方針の3号機原子炉建屋内から5号機原子炉建屋内に変更すると発表。変更理由は、3号機を含む1~4号機が建つ「荒浜側」区域の防潮堤(長さ約1キロ)周辺の地盤が大きな地震で液状化し、防潮堤が壊れる恐れがあるからだといいます。
10月27日の会合で東電は、基準地震動(想定される地震の揺れ)による液状化の影響を分析した結果を報告。荒浜側の防潮堤本体を支えるために地下約40メートル まで打ち込まれた鋼管杭(くい)に対し、地下約20メートルまで影響が及び、性能が不足するとしました。地盤改良などが必要になるといいます。
また、方針変更に伴って、液状化による地盤沈下量の検討などの資料を年内に提出すると報告しました。これに対し、規制委は「スケジュールありきでなく、論点に抜けがないように」と苦言を呈していました。
東電は、防潮堤の液状化対策に年単位の時間がかかり、5号機へ対策拠点の変更なら月単位の時間で済むとみています。
(「しんぶん」赤旗2016年10月28日より転載)