北陸電力志賀原発2号機(石川県)で、雨水約6・6トンが流入し原子炉建屋1階に設置してある照明器の分電盤が漏電、ショートしていたことが10月19日わかりました。同日の原子力規制委員会の定例会合で、報告されました。
同じ部屋には非常時に原子炉を冷却する機器の電源盤などがあり、特に重要度の高い安全機能を喪失していた可能性も否定できないとして、規制庁は北陸電に対して原因究明と再発防止策の報告を求めることにしました。
更田豊志委員長代理は「被水の深刻さ、恐ろしさは福島第1原発事故で経験した」と述べ、規制要求が足りているか、設置許可における確認の状況を調べるよう事務局の原子力規制庁に求めました。
会合後の会見で田中俊一委員長は、今回のような雨水流入について「想定していなかった」として、「今後の規制の中に生かしていく必要がある」と述べました。
規制委によると、9月28日、発電所内の道路が降雨により冠水し、その水が道路わきのケーブル類を通す管路に流入。2号機原子炉建屋のケーブル貫通部から、道路より低い1階に流入しました。雨水は照明用配電盤をショートさせたほか、床の割れ目を通じて地下階に流入。地下1階の非常用バッテリーが設置してある部屋の周りにも達していました。
2号機付近では道路側溝の付け替え工事を行っており、仮設ポンプで雨水を排水していました。当時の降雨は1時間当たり30ミリ程度だったといいます。
(「しんぶん」赤旗2016年10月20日より転載)