関西電力大飯原発(福井県おおい町)の過酷事故を想定した広域避難訓練が28日、福井県内で実施されました。国と福井県、関係市町の100機関が参加し、原発から30キロ圏内の住民150人ほどが圏外の県内避難先まで自家用車やバスなどで移動しました。
大飯原発から30キロ圏には、県内で約7万7000人が住んでいます。京都府や滋賀県の住民は対象ではありません。
訓練は、若狭湾沖の海底地震による事故発生を想定。5キロ圏の住民は放射性物質の放出前の段階で避難し、5〜30キロ圏の住民は放射線量が基準を超えた地域から避難する方式で実施されました。
放射能汚染の検査(スクリーニング)・除染場所は南条勤労者体育センター(南越前町)に設けられ、一般住民や児童、要援護者計約80人が自家用車5台、バス3台、福祉車両2台で経由しました。
美浜町から来た60代男性は、限られた車両台数について、「このくらいでは実際には間に合わない」と話しました。
広域避難訓練のほか、5〜30キロ圏では、自宅に屋内退避する訓練なども行われました。
(「しんぶん赤旗」2016年8月30日より転載)