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核のゴミの処分地選定・・原子力委が素案

 原発の使用済み核燃料の再処理で発生する、「死の灰」を大量に含む高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)の最終処分地の選定をめぐって、経済産業者や同省の認可法人・原子力発電環境整備機構(NUMO)などの活動が妥当かどうかを評価する内閣府原子力委員会の専門部会が29日開かれ、事務局から評価素案が示されました。

 政府は昨年(2015年)5月、「核のゴミ」の最終処分に関し、国が前面に立って「科学的有望地」を提示するなどの基本方針を決定。関係閣僚会議で原子力委がその取り組みを評価するとされ、今年5月に外部有識者による専門部会が設置されました。

 素案は、「国民理解の醸成」などの視点ごとに評価。2000年の最終処分法施行から今日まで「諸活動の有効性が向上しているか」では、「諸活動はより活発化」しているものの、「有効性の向上に結びついていることを、客観的根拠を持って示すことは難しい」としています。各委員から「3・11以降の最終処分問題は、原子力利用や廃炉など、いっそう複雑化しているが、その認識が希薄だ」「原子力全体の中での高レベル放射性廃棄物処分という感覚が必要だ」などの意見がありました。

 当初、評価項目に原子力規制委員会が含まれていましたが削除。規制委事務局から「原子力の推進主体から規制主体が評価されるのは言語道断」などと批判されたといいます。

(「しんぶん赤旗」2016年8月30日より転載)