■7月30日 東京電力関連企業の男性作業員(59)が意識不明で倒れているのが見つかり、搬送先のいわき市の病院で死亡が確認されました。東電によると、男性は作業を終えて、午前10時27分に入退域管理棟を出た後、意識不明で倒れているのが見つかりました。死因について東電は、作業に起因するものではなく内因性の可能性が高いと説明。作業員の死亡は、帰宅途中に体調不良を訴えた1人を含め計14人。このうち作業事放による直接の死亡は3人。
■8月2日 敷地南側の境界近くにある、空気中のほこりなどに含まれる放射性物質を測定する監視装置「ダストモニタ」で、午後1時半ごろから計3回、放射能濃度の上昇を示す高警報が発生。3回目の高警報後に、装置を交換し、測定値は通常レベルになったといいます。東電は、1回目の高警報は、天然核種による影響とみています。また、データ上、ほかの時刻にも、高警報基準を超える濃度を記録していたことが判明しており、引き続き原因を調査中です。敷地境界近くの高警報は過去4回発生し、6月1日は機器の異常によるもの、7月3日は天然核種が原因でした。
■同日 事故発生後、東電社員が敷地内の排水路で放射性物質を測定するよう提案し、上司に却下されていたことを、東電が明らかにしました。上司は他の仕事を優先したといいます。東電は提案の時期など、詳細は特定できていないと説明しています。
昨年(2015年)2月、2号機原子炉建屋で出入り口の屋上にたまった雨水が放射性物質に汚染され、排水路から外洋に流出していたことが発覚。東電はそれを知りながら長期間、データを公開せず有効な対策もとらずに事実上放置していたことで、国民から大きな批判を受けた経緯があります。その後、炉心溶融の隠蔽(いんぺい)問題を受け、6月に通報窓口を設置したところ、今回の件を含め6件の情報が寄せられたといいます。
(「しんぶん赤旗」2016年8月8日より転載)